


本州と兵庫県淡路島を結ぶ、長さ3911mという世界最長の吊り橋、明石海峡大橋。
その通行料を巡って、淡路市では、皇太子さま、天皇陛下まで巻き込む「騒動」が起こっている。ことの発端は、淡路市の「広報 淡路・2018年11月号」に掲載された門康彦市長が執筆している<市長からの手紙>というコラムだ。
<明石海峡大橋、「代替、選択肢の無い国道28号線、生活道路の無料化」を皇太子殿下に直訴した私が、平成天皇にそのストーリーをお伝えすることができるのか>
このコラムついて市議会で質問した淡路市の鎌塚聡市議がこう疑問を呈した。
「天皇陛下、皇太子殿下、皇族が日本国憲法において、政治的な行為が行えないことは誰もがわかっている。それを有料の橋の通行料金を無料化したいと所管の行政機関などを飛び越えて、皇太子殿下に直訴するなんてことはあり得ないと考えるのが、普通だと思います。それを門市長は皇太子殿下に直訴と堂々と書いている。市民からも直訴するなんて、おかしいという声を聞いています」
門市長は皇太子さまへの「直訴」に及んだのは、2006年の「のじぎく国体」が兵庫県で開催された時のこと。皇太子さまが兵庫県をご訪問された折、門市長が昼食会に招待され、話す機会があったという。
そこで「明石海峡大橋を無料化してほしいと直訴した」とのこと。
門市長はブログでもこう誇らしげに書いている。
<橋の通行料金が高く島民が困っている>
<「明石海峡大橋の無料化を直訴した、おそらくたった一人の島民でしょう?」>
皇太子さまに橋の通行料金を無料化してほしいと「直訴」したと、門市長自身がアピールしているのだ。
そして、驚くべきことにブログを読み進めると“確信犯”ともとれる記述があった。
<「政治的な話はしないで」と言われていましたが、一人ぐらい笑い話になる愚者がいてもいいでしょう>
門市長は市議会での追及にはこう答弁していた。
「皇太子殿下に直訴したと広報に書いたことで、市民から苦情はない」
「直訴というのは(皇太子殿下と)会話したこと。直訴とおおげさに書いた」
鎌塚市議から訂正の意向を聞かれると、門市長はこう開き直った。