先日ラジオを聞いていたら、医師という男性が「医師とつきあうコツ」について話していた。「一番やる気をなくすのは、自分で勝手に診断してくる患者」だとか「医師を褒めてあげてほしい。やって当然と思われて、褒められない医師。褒められると頑張れる」だとか。
衝撃を受け、思わずラジオを持ち上げ耳にあててしまう。は? 病人に気を使わせるなよ。っていうか、DV男か? 男性医師が楽しそうに話していたことも含め、医師の「自尊心」の間違った高さにくらくらした。
今週の週刊朝日は猫特集なので猫について書くが、ご存じのように(ご存じですよね!?)猫のコミュ力は相当なものである。私は4匹の猫と暮らしているが、瞳の色と眼差しの強さだけでここまで人に語りかけられる存在には、最大の敬意を示したい。ごろごろと喉をならし、静かに幸福と安堵を表現する知性を学びたいと思う。私に心を開いてくれ、私の隣で熟睡するあなたたちのおかげで、私は今日も「自分でいよう」と思えるのだと思う。順天堂大学のようなことが明らかになった日でも。
※週刊朝日 2018年12月28日号