西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、名球会の入会資格について議論すべき時が来ていると指摘する。
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プロ野球はすべての試合が終わって、オフの時期になった。秋季キャンプも11月下旬には終わる。シーズンを主力として戦った面々は、なまらない程度に体を動かしながら、上手に疲れを抜いてもらいたい。レギュラーを狙う若手は時間を無駄にしないことだ。
オフになれば、イベントが増える。そして、寮に住む選手ならともかく、自宅住まいの選手は意識を高くして自己管理する必要がある。今は、各球団が管理栄養士を抱えるなど努力しているが、選手が自分なりに勉強することが大事だ。日々のささいな意識の違いが大きな差となって表れる。
イベントといえば、11月24日に日本プロ野球名球会の40周年を記念して東京ドームで「名球会ベースボールフェスティバル2018」が行われる。このコラムが皆さんの手元に届くころには、イベントが終わっているけど、みんなが故障なく、楽しく終われればいいと毎年のように思っている。今年の目玉は、往年の名選手が入団時のユニホーム、背番号をつけて試合を行うこと。スター選手になってからの映像などはよく見るが、その選手のルーキー時代のプレー映像はなかなかない。意外な背番号を背負っていたり、今からは想像もつかないユニホームのデザインだったり……。昭和のよき時代の雰囲気を、平成最後の秋に感じてもらえたらうれしい。
イベント前日の23日に行われる総会では入会規約についても話し合われることになる。特に投手は「(日米通算)200勝以上もしくは250セーブ以上」のクリアが難しくなっている。今年、巨人の上原浩治が100勝100セーブ100ホールドを記録したが、以前も話したように「ホールド」という記録は判断が非常に難しい。「勝利」「セーブ」と同じ価値で考えていいものか。
解決する手段の一つとしては、「昭和」「平成」という元号で分けて名球会の概念を考えてあげるということがある。「昭和名球会」の入会資格と「平成名球会」の入会資格を線引きする。先発と抑え投手の2人で何試合も勝ってきた昔と比べ、今や役割は細分化されている。時代に即した入会資格を真剣に考える時にきているのは間違いない。