健康長寿の暮らしにはきっと共通点があるはず──。好評発売中の週刊朝日ムック「60歳からはじめる認知症予防の新習慣」では、そのヒントになる衣食住の習慣を探るために、70歳以上で認知症予防に励む元気な高齢者にアンケートを実施した。152人の回答から得られたデータと医師が解説する15の共通項を紹介する。
2017年の日本人の平均寿命は、男性が81.09歳で女性が87.26歳となり、いずれも過去最高を更新した(厚生労働省:簡易生命表から)。厚労省が把握している50の国や地域で比べると、女性は3年連続で世界第2位、順位を一つ下げたものの男性も世界第3位であり、日本は世界において長寿国である。健康長寿の理由としては、生活習慣の改善や、医療水準の向上などがあげられる。
健康で長生きならば、言うことはない。しかし、長寿になればなるほど、認知症の患者数は増えていく。厚労省の推計では、認知症の高齢者は500万人超(15年)、25年には約700万人に達するとされている。認知症を予防するためには「禁煙をしたほうがいい」「もっと運動をしたほうがいい」など、多くの意見がある。では、健康で長生きをしている高齢者は実際、何をしているのだろうか。そこで編集部では、朝日脳活マガジン「ハレやか」の読者で、70歳以上の高齢者201人に郵送でアンケートを配布した。回答者152人の結果を集計してまとめたデータを紹介する。
からだのもととなる食事について。アンケートの結果では、毎日必ず食べているものは、ヨーグルトや納豆などの発酵食品。反対に避けているのは塩分だった。また頻度にばらつきはあるものの、8割が自炊をしていることがわかった。脳の活性化のためにやっていることで最も多かったのは塗り絵、次いで読書、料理、ピアノという結果に。ピアノ以外にも三味線やウクレレなど、約3割が楽器演奏をしていた。
「15年くらい折り紙をやっています。手指を動かすのが大好きです。料理も3食つくっています」(78歳・女性)
健康のためにしている運動の1位はウォーキング。1日の平均歩数は4232.5歩で、最も多い人で1万6千歩だった。
「運動は苦手ですが、空いた時間に5分ほどつま先立ちや片足立ち、スクワットなどを続けている」(74歳・女性)と、短時間でも運動を続けている人が多数いた。
交友関係を重視しており、年賀状は平均72.5枚を出しているという結果になった。離れて暮らす家族と会う頻度は、月に1~2回が最も多い半面、地域のサークルや老人会の参加率は5割を超えた。