彼にとっては2度目の長期離脱を経ての復活優勝でした。2013年に前回の優勝をして以降、腰を痛めて4度もの手術。去年の5月には薬物の影響下で車を運転した疑いで逮捕されるなんてこともありました。去年の秋には引退の可能性まで口にしました。それでも今年1月に戻ってきた。いろいろありましたけど、彼自身が自分の力で全部帳消しにしたんですよね。あらゆる逆境を乗り越えて、ゴルフで見返す、ゴルフで魅了するってのが彼のすごさなのかなと改めて思いました。絶対に勝てるという有言実行と、去年の11月に1199位だったワールドランキングを13位まで持ってくる力ですよね。やっぱりこう、もともとの「星」が違いますよ。
ファンのみなさんにとって、サム・スニード(米)が持つツアー最多の82勝を超えられるかが次の楽しみになりましたね。彼が体調を崩さないで試合に出続けられたら、十分にチャンスがあると思います。それだけじゃなく、ジャック・ニクラウス(米)が46歳のときにマスターズで勝ったみたいなことまで成し遂げちゃうんじゃないかなんて期待しちゃいますよね。
でもタイガーも42歳です。ほんとに年々何があるか分からない年齢にさしかかってきましたから、先のことは分かりません。でも心の中では、このまま永遠にゴルフ界を盛り上げてもらいたいという気持ちがあります。高い目標を持って、ゴルフ界にその雄姿を見せ続けてほしいです。
※週刊朝日 2018年10月12日号
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