

著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は俳優・六角精児さんの「天ぷら割烹 天里」の「里コース」だ。
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僕は鉄道マニアということもあって、今まで全国津々浦々いろんなお店を訪ねてきました。地方に行くと一本裏通りにこぢんまりとした、実にいいお店があるんです。ここはそんな雰囲気に近くて、東京の三軒茶屋にあるのが不思議なくらい。天ぷらってどことなく格式張ったイメージですが、気さくなところが気に入っています。
僕がいつも頼むのが「里コース」。カウンターに座ると、ご主人が目の前で一品ずつ天ぷらを揚げてくれます。油切れが良くてカラッと揚がるせいか、いくらでも食べられる。しかも野菜にしても魚介にしても新鮮な旬のものが出てきて、「ああ、いい素材使ってるな」って、なんだか嬉しくなってくる。当然、酒も進みますよね(笑)。
なかでも僕の大好物はイカ。この間食べたアオリイカなんてびっくりするくらい身が厚くて弾力があって、天つゆにつけるとこれがまたうまい。まさにこちらは、僕に初めて天ぷらの本当のおいしさを教えてくれたお店なんですよね。
(取材・文/今中るみこ)
「天ぷら割烹 天里」東京都世田谷区太子堂5‐28‐2/営業時間:11:30~13:30最終入店17:00~20:30L.O.(祝は夜のみ)/定休日:月
※週刊朝日 2018年10月5日号