駆除業者らでつくる「ねずみ駆除協議会」の矢部辰男会長は、「殺鼠剤などの効果が出ているかもしれない」とこれまでの駆除の成果を認めつつ、こう指摘する。

「トラックの出入り口は大きく空いているし、防鼠ネットはネズミが足を引っかけて乗り越えてしまう。隅田川の堤防沿いに移動する可能性もあります。クマネズミは電線を渡って移動するかもしれません」(矢部会長)

 ネズミを一匹残らず駆除するのは難しい。生き残ったものは、場外に逃げる可能性が高い。築地市場の周囲には場外市場などの小売店や飲食店などもある。

「食材や生ゴミは、ふた付きの容器や戸棚にしまう。ネズミが近づけないようにきちんと対策をしないといけません」(同)

 築地市場の最後のセリは10月6日で、11日には豊洲市場が開く。都は10月11~17日も大規模な駆除をして、11月中旬まで続ける予定。

 行政の威信をかけて取り組むネズミ退治。どこまで流出を防げるか”チュー目”だ。(本誌・緒方麦)

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