2千本安打まで、あと135本。だからこそ彼にチャンスを与えて、と思ったファンも多かったはず。しかし、それも他球団が村田獲得を見送る要素だったという。

「代打だと1年では難しい数字。本人はスタメン起用を望むはず。だけど彼は横浜時代から『ベンチの真ん中に踏んぞり返って』と揶揄され、巨人時代も控えのときは公然と不満を口にしていたので、獲ったらレギュラーで使わないと不満分子化すると思われたはず」(スポーツ紙デスク)

 頑張って人並み以上の結果も出し、後輩からも慕われ、だからこそ、皆のために言うべきことは言う。

 少し傲慢になってしまった部分はあったにせよ、そんな男が、仕事を失う。高齢化社会で生き残っていくため、他山の石としたい話ではないだろうか。(黒田朔)

週刊朝日  2018年8月17-24日合併号