東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
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試合開始前、黙祷する中日・松坂(右端)ら=2018年7月14日、熊本市のリブワーク藤崎台球場 (c)朝日新聞社
試合開始前、黙祷する中日・松坂(右端)ら=2018年7月14日、熊本市のリブワーク藤崎台球場 (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、近年変わる外国人選手獲得の事情と、日本選手の海外流出について語る。

【写真】試合開始前、黙祷する松坂選手ら

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 7月14日に本で行われたオールスター第2戦をラジオ解説した。多くの少年少女の球児が招待され、代表してあいさつに立った少年が「学校に行けるのも、大好きな野球ができるのも支援のおかげ。全国の皆さん、熊本は元気です」と純粋な思いを表現し、胸にくるものがあった。

 球宴2試合を通じ、セではDeNA勢が、パでは西武勢の活躍が目立った。私が現役時代の1975年。山本浩二さんと衣笠祥雄さんが、そろって2打席連続本塁打を放った。翌日の新聞には「赤ヘル軍団」の見出しも躍り、そのままペナントレース初優勝まで手にした。この両チームが後半戦も……と期待したいところだが、どうだろうか。

 パ・リーグから見ていくと、首位の西武は、打線は確かに強力だ。1番の秋山、クリーンアップの浅村、山川は勝負強さもある。2番に入る源田は、まったく犠打の必要がないほど、打線の潤滑油となってくれている。得点力は十分なのだが、投手陣は菊池雄星以外の先発が勝利を計算できない。救援陣は夏場でさらに落ち込む可能性がある。

 かといって他球団をみても、ソフトバンクは先発の武田、千賀が本来の姿からほど遠く、昨年まで強さを発揮した接戦の強さもサファテ不在で見えていない。日本ハムオリックスにもこれといった決め手はない。最後までもつれる可能性は高いよね。

 セ・リーグは広島が他チームを少し引き離しているが、巨人は大きく連勝する可能性がある。ヤングマン、メルセデスの両外国人が安定している。菅野を中心に夏場を乗り切れたら、一気に優勝争いに加わるチャンスだよ。広島以外は団子状態。他の5球団で広島包囲網をしっかりと敷けば、セもパも大混戦になって、ファンにとってはおもしろい展開になるよね。

 いま一度、オールスターに話を戻すと、やっぱり故障明けや、故障を抱えている選手の出場はどうかと思うよ。第1戦(京セラドーム大阪)に先発した中日の松坂は1回5失点。球速は135キロ前後で、腕の振りは鈍かった。本人とは話していないが、打たれるのをわかっていて速球勝負をしている感じだった。

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