第三者名義の口座にお金をプールする例もある。例えば、子どもや親、あるいは孫に事情を話して協力してもらい、休眠口座などを借りてお金を預けておくのだ。本人名義にしておくと、どうしても足がつきやすい。だから近しい第三者の口座にお金を隠すというわけだ。

 隠し先の銀行がどうしてもわからない場合、プロに頼るのも一つの方法だ。探偵を雇って相手を尾行して突き止めるのだ。

「特に年配の方ほど、コンビニなどのATMからの送金ではなく、窓口で手書き送金することが多いので、比較的銀行を突き止めやすいんです」(同)

 ペーパーカンパニーを用いるという例もある。夫が株式会社を作り、資産を会社名義の口座に移動しているというケースだ。「かなり手が込んだ例ではありますが、過去に数件はありましたよ」と阿部さん。そこまでする人は、だいたいが周りを信用していないタイプということもあり、社長名は自分の名前にしているケースが多いという。

「ただし最近は定年退職と同時に会社を作る人が結構いるので、見極めが難しい。自力でやるには限界がありますが、法人として動いているかどうか、確認が必要です」(同)

 ペーパーカンパニーかどうか確かめるには、まずは会社住所の現地を見に行くこと。なぜなら住所の場所に行ってみると、実際には存在しないケースも多いのだという。

「あるいは、相手に見られたくない書類や趣味のものを置いている貸しスペースやトランクルームを住所にしていたという例もあります」(同)

 さらに現金を、比較的換金率が高いアイテムにかえて目くらましする技もある。例えば、金。延べ棒などは購入者が登録されるのが一般的だが、金貨であれば登録なしに買えるため、足がつきにくい。最近では金貨を取り扱う自動販売機もあり、手軽にかえられるのも魅力だ。

 一見、価値があるとわかりにくいアイテムにかえるという裏技もある。例えば、1本数百万円単位の高価なビンテージジーンズや、あまり知られていないが実は高価なブランドの時計など。

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