この湿疹とともに、爪が黒く変色、また時折顔が変色して目の周りがパンダみたいになるが、これらに関しては生活に実害を及ばさないということもあり、あきらめている。
幸いなことに、抗がん剤治療を受ける多くのがん患者が苦しめられるという、嘔吐(おうと)・はき気、そして味覚障害は、私の場合はほとんどないかごく軽いものであった。実害はほとんどなかったといえよう。
■苦しめられる「だるさと倦怠感」に漢方薬を服用
このようにさまざまな副作用に襲われたが、不思議なことに時間が経つにつれて苦しめられる副作用の数は次第に減ってきた。
2年目に入ってからは、湿疹、皮膚の変色などほとんどなくなり、随分と楽になってきた。しかしそのような変化の中でも、がんが発覚して以来、しつこく私を悩まし苦しめ続けている副作用が二つある。
一つ目は、抗がん剤を投与されると絶え間なく襲いかかってくる「だるさや倦怠感」だ。時折休薬期間が設けられたが、この期間中も関係なく全身のだるさや倦怠感は継続する。
いったん、抗がん剤が身体に注入されると、気分が軽やかにかつはつらつとなり身体がおのずと躍動しだす、というような健康なときの感じはまず起こらない。もちろん、だるさや倦怠感が軽く、あまり気にならないときもあるし、動くのも嫌になるほど全身がだるくて倦怠感に襲われるときもある。がん患者の2~3割がうつ病になるといわれるが、本当、よく理解できる。
QOLをある程度維持し人生を楽しむためには、このだるさや倦怠感とどう向き合うかが極めて重要となる。現在、服用している漢方薬「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は気分的に元気づけられるが、やはり基本的には患者のもつ体力と気力であろう。これがだるさや倦怠感に対抗する、最大の武器であると私は思う。
二つ目に私が終始悩まされているのは、手足のしびれである。抗がん剤治療が始まって以来、絶え間なく悩まされている。