今、年間フル出場する野手や、200イニングを投げる投手が減っている。この状況をどう思うか。進化と見るのか退化と見るのか。今、試合の決着がつくまで投げ続けようという気概を感じるのは、オリックスの山本由伸くらいである。
WBCの日本代表選手の中で、故障などの情報が伝わってこないのはいいことだ。だが、特に投手は実戦に入ったときに、ボールの違いなどから無用な力が入ってしまう。状態をあげていく中で、変化球の変化量、制球がつかないなど色々と不安要素も出てくる。ただ、ボールの慣れというものは、ある程度時間が解決するものだ。3月9日の開幕戦まで、しっかり時間を使ってほしい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2023年2月24日号