そもそも乾燥肌なら、かゆみやフケと相談しながら、冬場などはとくにシャンプーは一日おきぐらいでいいと植木医師は言います。

「本来、地肌から出る皮脂はきれいなものなので取りすぎないほうがいい。髪は洗いすぎないほうが、自らの皮脂でツヤも出ます」

■地肌をしっかり乾かさないと、薄毛の原因に

 髪の乾かし方にも薄毛予防のポイントがあります。洗髪後はしっかりタオルドライをした後、ドライヤーで髪の根元の地肌をしっかり乾かします。地肌を濡れたままにしておくと、頭皮が蒸れて菌が繁殖しやすくなったり、皮脂が余分に出てしまったり、切れ毛が増えたりなど、頭皮トラブルのもとに。結果、薄毛にもなりやすくなってしまうのです。

「夏場などはドライヤーの温風で髪を乾かした後、最後に地肌の汗が引くまで冷風をあてるといいですね」(植木医師)

 また、ポニーテールなどの結び髪を習慣にしている人も要注意。ポニーテールは手間がかからないため、「ついつい、いつも同じ髪形」という人も多いでしょう。しかし長年、髪を強く引っ張り続けると「牽引性脱毛症」になる場合があるといいます。

「同じ結び方で髪を強く引っ張り続けると、その部分の頭皮の血管が細くなって血流が悪くなり、薄毛になりやすくなります」(植木医師)

 まとめ髪やナースキャップ、ウイッグなど、髪をピンでとめることが多い場合も、いつも同じ箇所でとめているとそこが脱毛しやすくなります。頭皮に痛みが出てきた時は危険信号です。できれば2時間以上、同じところをピンでとめないように、ピンの位置を時々変えるべきと植木医師は話します。

「髪を結ぶ場合も毎回同じ結び方にしないで、なるべく変える。工夫次第で髪のおしゃれをちゃんと楽しみながら、薄毛は防げるのです」

 正しいヘアケアで薄毛を防ぎながら、髪のおしゃれを楽しみましょう。(文/石川美香子)

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