「介護はきれいごとではすまない。すぐにではなくてもいいので、『自分はどういうふうに死んでいきたいか』までケアマネに話せるようにしておけるといいですね」(小島さん)
ぴあ訪問クリニック三鷹(東京都三鷹市)の院長で在宅医の田中公孝さんは、先日、がんの終末期を迎えた女性(90代)を看取った。そのときのケアマネの仕事ぶりに頭が下がったという。
「もうそろそろ……というときに、ケアマネが訪問入浴の手配をしていたんですね。聞くと、女性にお風呂に入って、さっぱりしてもらいたかった、と」
亡くなったのは明け方。田中さんが訪問すると、すでにケアマネがいて医師の確認を待っていた。
「娘さんが母親の面倒をみていましたが、『最期までみられるかわからない』と不安を口にする彼女を、何度となく勇気づけていました。葬儀の手配の相談など、娘さんが誰よりも頼っていたのもケアマネでした」
人生の最後に関わることになるケアマネ。介護が必要になる前からその備えは必要かもしれない。(本誌・山内リカ)
※週刊朝日 2018年4月20日号より抜粋