良い介護生活につながるケアマネジャー(介護支援専門員、以下ケアマネ)は、どうやって選べばいいか。ケアマネの経験がある、淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博さんは良いケアマネを見極めるポイントを5つ挙げる。
一つ目は、「人の話が聞ける、自分の意見を押しつけない」というもの。
「挨拶ができる、コミュニケーションがとれるというのは、キホンのキ。ですが、それさえできないケアマネもいます」(結城さん)
ケアマネで大事なのは、利用者との関係構築。その人が持っている力をどう引き出すかを考えてくれる人だ。それにはやはりコミュニケーションは欠かせない。
「ケアプランに家族が意見や希望を伝えると、不機嫌になるケアマネもいます」と話すのは、家族の介護経験があるノンフィクションライターの中澤まゆみさんだ。
「そういうケアマネは、誰のためのケアプランなのかということを考えていない。例えば、本人がデイに行きたくないのに無理やり行かせるのは、やっぱりよくありません。どんな介護サービスがその人に向いているかを提案する、あるいは、なぜデイに行くといいのかを時間をかけて伝えられる。これが、良いケアマネの要素の一つだと思います」
何より、ケアプランは利用者本人のものなので、利用者や家族は意見や希望を告げたほうがいいという。
「長い介護の期間をよりよく過ごすためにも、本人や家族と伴走してくれないケアマネは代えたほうがいいですね」(中澤さん)
2番目は、「対応の素早さ」だ。ケアマネが在籍する事業所は、原則として24時間365日対応はしていない。だが、緊急を要するような場合では、連絡を取りたいこともある。
「その場合、留守番電話であったとしても、すぐに折り返しの連絡があるとか、メールで返信がくるとか、そういう対応をしてくれるようなケアマネ、あるいは事業所が望ましいでしょう」(結城さん)
3番目は、「自身の所属する事業所のサービスばかりを勧めないこと」。
4番目は「情報を持っていること」。ケアマネが「地域の介護サービスの情報をどれだけ持っているかもカギになる」と、中澤さんは言う。