眼を洗いすぎると、涙も洗い流してしまうことになり、自然にそなわったバリア機能を失ってしまう(※写真はイメージ)
眼を洗いすぎると、涙も洗い流してしまうことになり、自然にそなわったバリア機能を失ってしまう(※写真はイメージ)
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「眼を洗うと、病気を防げる?」「ブルーベリーは眼の疲れをとる?」「ルテインは効く?」

 巷でよく耳にする眼の健康法は、本当に正しいのでしょうか。週刊朝日ムック『眼の病気&老眼がまるごとわかる2018』で、東京・烏山眼科医院院長で、日本眼科医会監事の福下公子医師に取材しました。

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「毎朝、水道水で眼を洗っているから雑菌もつかず健康です、という患者さんがいらっしゃいますが、大きなまちがいです」(福下公子医師)

 眼には涙という眼を守るしくみがそなわっています。涙は眼に入ったゴミを洗い流すだけでなく、眼をうるおして乾燥を防ぎ、角膜に酸素や栄養を補給しています。眼を洗いすぎると、涙も洗い流してしまうことになり、自然にそなわったバリア機能を失ってしまいます。目が乾燥して雑菌を排出しにくくなったり、角膜に傷がつきやすくなります。

 また、水道水の中には塩素などの物質が含まれているので、眼の刺激になることもあります。洗うときには、生理食塩水や人工涙液を用いるのがベストです。

 眼を洗うのは、ほこりやゴミが入るなど、すぐに洗い流したいときにとどめるのがいいでしょう。

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