ベッキ―のCMが話題になったスマートデイズ(SD)の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」。ところが、現在、シェアハウスへの投資を巡ってトラブルが続出している。
SD社は高利回りをうたって、主に会社員をターゲットにしてきた。SD社のビジネスの形式は、まず、顧客らが銀行から1億円前後の融資を受けてシェアハウスを建設する。それをSD社が一括して借り上げるサブリース方式で、入居者の募集や管理をする。SD社は顧客らに対して、30年間にわたって定額の家賃の支払いを保証するというもの。SD社は現在、845棟のシェアハウスを管理、運営している。しかし、シェアハウスの入居率が全体で4割前後と低迷し、今年1月、SD社のこのビジネス方式は事実上破綻した。
大手企業に勤める30代男性Aさんは銀行から1億1千万円を借りて、東京都内にシェアハウスを建てた。SD社から支払われる毎月の家賃保証は70万円、銀行への返済額は月額50万円、つまり、何もしなくても毎月20万円もうかるという触れ込みだった。だが、実際に賃料が支払われたのは昨年12月の1カ月分だけだった。
「今年1月に開かれた説明会で、SD社の社長は誠心誠意対応すると言っていたが、アテになりません。収入がなくなった時など、もしもの時に備えようとして投資したのですが……。銀行融資は3.5%と高金利なので、引き下げを求めていくつもりです」(Aさん)
SD社のほかにも、ゴールデンゲイン(GG社)が酷似した商法でやはり破綻し、被害者を増加させている。GG社のケースで詳しく見ていこう。
やはり大手企業に勤める30代男性Bさんは、銀行から8600万円の融資を受け、2016年11月、都内にシェアハウスを建てた。土地代が4900万円で、建築費が4600万円だった。1室(7平方メートル)の家賃は6万円で、全10室。GG社のサブリース契約書によると、月額賃料の60万円(管理費4万円が差し引かれ、実際は56万円)が17年1月から46年12月まで30年間にわたってBさんに支払われる契約になっていた。毎月、銀行に40万円返済しても16万円が手元に残る計算だ。賃料は11カ月間支払われたが、昨年11月末、GG社から次のような「通知書」が届いた。