「観戦ツアーに比べれば、大した額じゃないです」
田中さんがのめり込むようになったのは13年に初めて試合を観戦してから。間近でほとばしる汗と涙を目にして「完全に心奪われてしまった」(田中さん)。
以来、喜怒哀楽のちょっとした表情の変化までも見逃さないようになり、真剣なまなざしが画面にアップになると「ドキドキが止まらない」(同)。泣いている姿には「キュンキュンする」(同)。
まるで恋する乙女のようだ。
「傍観者では本当の感動は得られない。身銭をきることで、ユヅがメダルを取った時の感動に、さらに実感がこもると思うんです」
とはいえ、一シーズンのレギュラーの試合に国内外問わず全て参加する場合、安く見積もっても年間150万円以上かかる。大会で目につく羽生ファンは、お金持ちのマダムや独身貴族の女性が多くなるという。 (本誌・松岡かすみ)
※週刊朝日 2018年3月2日号