人は加齢と共に姿勢が悪くなり、前かがみになりがちだ。猫背になると肩甲骨は左右に広がり、そのまわりの筋肉はこわばってしまう。それを放置すると腕が上がらない……ということになり、運動嫌いの人はますます動かなくなってしまう。
「そんな負のスパイラルに陥らないためにも、肩甲骨まわりは毎日ほぐしましょう。肩甲骨まわりがほぐれて動きがよくなれば、鎖骨から首につながる筋肉にも作用しフェイスラインのリフトアップも期待できます」
と、健康運動指導士の池田佐和子さん。やることは簡単。名付けて、「しおれない顔とデコルテのためのストレッチ」。
「ひじと肩の高さを一緒にして行うストレッチです。手を広げるときに、背中で肩甲骨がキューッと内側に寄るのを意識してください。これをやるだけで肩甲骨まわりの関節がほぐれ、血行がよくなり、首や肩のコリからも解放されます。前かがみの悪い姿勢の矯正にもつながりますので、ぜひ朝・晩の習慣にしてください」
そしてストレッチで肩甲骨まわりをほぐしたら、「しおれない腕と手のひらのためのエクササイズ」を行う。
「このエクササイズは、左右の腕それぞれ10回ずつ行うようにしてください。まずギューッと握りこぶしをつくります。親指は隠す、そして握りこぶしの小指がちょっと内側を向いているようにしてください」
そして肩甲骨が内側に寄るのを意識しながら、手をじゃんけんの「パー」の形に開いて後方へ動かす。
「このときは、小指ができる限り外側に伸びるように。これは二の腕や手のひらの筋肉トレーニングです。人の体は20代から50代までの間に骨格筋(体の活動を支える筋肉)は10%減少すると言われています。その後何もしないでいると、50代から80代までの間には、なんと30~50%減少します。筋肉のおとろえた筋張った腕、手になってからでは遅いのです。できることは今から始めましょう」
(エディター・赤根千鶴子)
※週刊朝日 2018年2月2日号