ビデオで確認すると、助手の言う通りに若ノ花の体勢も少し残ってるんです。それでも小錦の勝ちになった。そうしたら、翌日、協会に「あれは若ノ花の勝ちだろう」って、じゃんじゃん電話がかかってきた。ビデオで見ると物言いがついて取り直しでもいいかなぁと思ったけど、生で見ると、取り直しになるような相撲じゃなかったですね。

【10位】白鵬×稀勢の里/平成27年初場所

 物言いがついて取り直し、白鵬が勝って優勝した取組ですが、千秋楽翌日の会見で白鵬が「子供が見てもわかる。なんで取り直しをしたのか」と言ったんです。私は稀勢の里の体が落ちるのと白鵬の足が返るのがほぼ同時で、取り直しが妥当だと思いました。白鵬は審判部を批判してましたが、あれは逆の場合でも当事者が口にするんじゃないというのが相撲界の昔からの考えです。白鵬とは横綱に昇進した2007年、明治神宮で手数入り(神前土俵入り)を共にして、「来場所から頑張ろうな」と笑いあったりしてね。先日の九州場所でも土俵溜まりに立って不満を表す姿に、私はテレビを見ていて「だまって上がるもんだ」と思いました。

(構成/相撲ライター・和田靜香)

週刊朝日 2018年1月5-12日合併号より抜粋

暮らしとモノ班 for promotion
大型セールAmazonプライム感謝祭は10/19(土)・20(日)開催!先行セール、目玉商品をご紹介