双極性障害は治療が難しく、再発しやすいとされてきたが、最近ではこのように治療の選択肢が増えてきた。それだけに、双極性障害を専門とする医師を受診することが望まれる。秋山医師はいう。

「長期間、抗うつ薬を服用しているにもかかわらず、症状が改善しないという患者さんは軽躁状態のみを伴うII型である可能性があります。その場合、ネットで日本うつ病学会双極性障害委員会のメンバーやうつ病リワーク研究会会員の医療機関、日本精神神経学会の専門医を調べ、受診されることをお勧めします」

 また、加藤医師は身近に激しい躁状態を起こした家族や同僚をもつ人々に次のようにアドバイスする。

「地域の精神保健福祉センターに適切な医療機関を紹介してもらい、ご本人のプライドを傷つけないよう、『あまり寝てないようで心配だから、一度専門の先生に診てもらいましょう』などと上手に受診を勧めるとよいでしょう」

(ライター・小池雄介)

週刊朝日 2017年12月29日号