並行してソーラーパネルを12万円で譲ってもらい、ベランダに設置。そして12年9月1日(奇しくも防災の日)、ついに東京電力との契約を解除した。
現在、フジイ家はソーラーパネル4枚で、1日最大2キロワットの電力を賄う。発電効率が最も上がるのは黄道(太陽が通る軌道)が低くなる冬の晴れた日で、使い切れないくらい発電してくれる。
「化石燃料に頼らなくても、こんなに自給できるのかと驚きました。余った電力をみんなにおすそ分けしたいくらい(笑)」
ソーラー発電の欠点は、天候に左右されること。特に雨の日は発電量が乏しくなる。そんなときは知人から譲り受けたエアロバイク発電機で自家発電する。10分ペダルを漕ぐだけで、脱水機3分、扇風機3時間、5ワットのLEDランプ(白熱灯で40ワット相当)2時間分の発電が可能だ。
ここで、フジイさんが「東電フリー」生活から得たアイデアをいくつか紹介しよう。
●ソーラークッカー
太陽熱で加熱する調理器具。驚くほどの熱量があり、食材のうまみが引き出せる。市販もされているが、ステンレスシートなどを使って手作りも可能。
●手作りCDライト
電球の傘のようにCDをLEDライトのまわりに取り付ける。鏡面に反射して光量が大きくなる。
●植木鉢ストーブ
金属製のバットの上に網を敷き、キャンドルを置いた上に植木鉢をかぶせると火鉢のような暖かさに。大小の植木鉢を組み合わせて二重にすると、さらに効果的。
現在は第二種電気工事士などの資格を取得しているフジイさんだが、最初は特別な知識など何もなかった。
「ゼロから始めた主婦としては、まずは身近な節電に目を向けていただければと思います。待機電力をおさえるために、こまめにプラグを抜く。バスタオルは洗濯時にかさばるのでフェイスタオルを使用する、乾きやすい麻の素材を使用することなども、節電につながります。また、ドライヤーやアイロン、電子レンジなどの消費電力の大きい家電を同時に使わず、使用時間を分けることで、アンペア数を下げることができます」