表にはないが、福音館書店の月刊誌「こどものとも」(420円・税込み)もおススメだという。また、「小学館の図鑑NEOシリーズ」(小学館)や「旅の絵本シリーズ」(福音館書店)は大人も一緒に楽しめ、『工作図鑑』(同)と『自由研究図鑑』(同)は、自由研究に役立つという。

 絵本を選んだら次は読み聞かせだ。実際に、子どもにどのように読んで聞かせたらいいのか。子どもをひきつけるコツを10カ条としてまとめた。

【1】表紙を見せて、タイトルもしっかり読む。ここで、子どもたちの「わくわく感」を高める。
【2】ゆっくりと大きな声で読む。句読点も意識する。
【3】楽しいときには楽しそうに、悲しいときには悲しそうに読む。登場人物によって、声色を変える。
【4】オチがある絵本も多いので、その前で、しっかりと間をとる。
【5】韻を踏んだ言葉は、リズムに乗って読む。
【6】擬音語・擬態語が多いので、その部分を特に大きな声で読むなど工夫する。
【7】読み手も心から楽しんで読む。
【8】絵本はそれだけで完成した作品。作者の創作意図を尊重し、勝手に説明などを入れない。
【9】大きなひらがなは、指で指すと覚えやすい。
【10】.指で指しながら読むと、絵を楽しめる。

「特に大切なのが、読み手が心から楽しむということです。童心に帰って、純粋に楽しみましょう。ひらがなや理屈などを無理に覚えさせようとすると、子どもは楽しめなくなるので、気をつけてください」

 字を覚えさせたいといった下心は捨て、目の前の絵本を一緒に楽しむことが大切なのだという。

 とはいえ、読み聞かせの経験は、後に役立つこともある。

 次男が小学校6年生のときに、国語が苦手で塾の点数も悪かった。例えば、あるテストの問題文は向田邦子のエッセー「手袋をさがす」。次男は、書き手の気持ちや状況が理解できないようだった。

「子どもは人生の経験値が低いんです。だから、文章で表現されていることの意味がわからない。私が専業主婦だったので、次男は問題文に出てくるような働く女性のイメージが理解できなかったみたいなのです」

 そこで佐藤さんがとった対策は、国語の教材の読み聞かせ。声色を使って、登場人物の置かれた状況や気持ちを表現した。読み聞かせを繰り返すうちに次男はテストでも点数が取れるようになり、国語が得意になったという。

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