自衛隊が隊員募集のためにつくった漫画冊子
自衛隊が隊員募集のためにつくった漫画冊子
アルバイトの平均時給(週刊朝日 2017年10月13日号より)
アルバイトの平均時給(週刊朝日 2017年10月13日号より)
有効求人倍率の高い職業・低い職業(週刊朝日 2017年10月13日号より)
有効求人倍率の高い職業・低い職業(週刊朝日 2017年10月13日号より)

「正社員よりも、パートやアルバイトの人手不足が深刻。とりわけ、外食産業の人手不足が顕著です」

【図】アルバイトの全国平均時給はこちら

 こう話すのは、アルバイト求人情報サービス「an」編集長の上土(うえど)達哉氏。「an平均時給レポート」によると、8月の全国平均時給は前年同月より9円高い1001円。職種別にみると、居酒屋店員982円、警備996円、引っ越しスタッフ1340円など。地域差はあるが、近年じわじわと上がる。

 バイト確保に時給アップが有効な手段とはいえ、上げ幅は限られる。募集広告を出してもなかなか人が集まらず、採用経費は1人10万円近いともされる。バイトを数多く雇う企業は疲弊し、「採用疲れになっている」と上土氏は指摘する。

 そこで、anの運営会社は昨年から、飲食店のまかない飯を味わえるイベント「an まかないフェス」を始めた。従業員の特権とも言えるご飯をPRし、人材募集を支えるねらいだ。

 東京・名古屋・大阪の3会場で5月に開催。ワンコイン500円で人気店の味を楽しめるとあって、計18万人も集まった。

 東京都の「讃岐のおうどん 花は咲く」は今年、東京会場に初出店し、まかない飯「黒毛和牛 極上の肉うどん」を3200杯売った。バイト応募者が4人やってきて、うち2人の採用にこぎつけたという。

 普段は中野区に店を構えており、1時間半待ちの日もある人気。年内に2店を新たに開業予定だ。記者も店を訪れてみたところ、店内は明るい雰囲気。厨房4人、ホール2人の店員が、笑顔で元気に動き回る。

 代表取締役の相方(さがた)芳彦氏は「飲食店は長時間勤務できついイメージがある。そこから徐々に変えていき、店で働くことに誇りを持ってもらえるようにしている」と話す。

 時給は千円。金銭面だけでなく、楽しい職場づくりをしようと、スタッフと家族を招いた食事会などを月1回開いている。総勢25人で温泉旅行をすることも。来春には全員でグアムに行く計画を立てており、旅費200万円をためようと準備中だ。オーナーはときにバイトを叱ることもあり、人を育てる思いを忘れない。年内には、「うどん学校」も開業する予定だ。

 少子化などでバイト募集は年々難しくなった。では、どんな仕事が人気なのか。

次のページ