結果的に、抗がん剤はよく効き、腫瘍も小さくなった。それでも、専門医は「肛門を残すのは危険」と判断。位置が依然として肛門から近い場所だったためだ。手術3日前に入院した日、内田さんは、主治医の説明を聞きながら「私ってがんなんだ」とあらためて思ったが、同席していた次女がすぐさまこう言った。

「かあちゃんが変わるわけじゃないから」

 がんは喜ばしいことではないけれど、家族の存在に感動した一コマだった。

 手術は順調に進み、予定より大幅に短い3時間半で終了。麻酔から覚めたとき、自分の体に変化が起こっている感覚はあった。

「ああ、私、本当に人工肛門になっちゃったんだ……」

「『例えば、セックスできるか』 大腸がんで変わった内田春菊の本音」へつづく

週刊朝日  2017年9月15日号より抜粋