※写真はイメージです (GettyImages)
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 「テストステロン」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。私たちの体内にある男性ホルモンのひとつだ。その名前に惑わされがちだが、実は中高年の女性にこそ必須の物質でもある。死ぬまで元気でいたいなら、テストステロンに大注目!

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 テストステロンを簡単に言うと、いわゆる「男らしい体」を作るために働く物質だ。私たちが母胎にいるころから分泌されている。胎児がY染色体を持っていれば、胎生3カ月ごろにできる精巣でつくられ、シャワーのように浴びて男の子が誕生する。思春期になると骨格や筋肉を大きくし、成人に育ってゆく。

 こう言われると、女性は関係ないのでは?と思われるかもしれないが、女性ホルモンはテストステロンが原料。卵巣からも分泌されているのだ。詳しくは後述するが、男性よりは少ないものの、女性としての活動をしっかりと支えている。なので、減ってしまうと体調に悪い影響を与えてしまう可能性がある。

「年をとって女性の持つテストステロンが欠乏するとフレイル(虚弱)が進行します。人生100年時代。男女とも高齢になったら元気で生きるために、テストステロンの維持が大事になります」

 そう訴えてきたのは「男性医学の父」とも呼ばれた泌尿器科医の本悦明氏。2022年5月に92歳で亡くなるまで40年以上、テストステロン補充療法を実施してきた。加齢で精巣や卵巣の機能が衰えてくると性ホルモンの量が減り、「更年期障害」を迎えるとされる。それを補って克服するという方法だ。熊本氏は男性にも更年期があると喝破した人物で、筆者の父でもある。

 女性のテストステロン(遊離型)の量は、血液1ミリリットルあたり2~5ピコグラム(1グラムの1兆分の1)だが、男性は更年期世代でも10~15ピコグラムほどもあり、その差は歴然だ。熊本氏が仲間の医師と立ち上げた研究会の調査によると、健康な中高年女性の血中テストステロン量は、やはり男性の10分の1のレベルだった。

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