高血圧と糖尿病の病院にかかる県とかからない県の上位5県(週刊朝日 2017年7月7日号より)
高血圧と糖尿病の病院にかかる県とかからない県の上位5県(週刊朝日 2017年7月7日号より)
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 キンキンに冷えたビールがおいしい季節になってきた。だが、食べすぎや飲みすぎの先には“中年世代の敵”である生活習慣病が待ち受ける。発売中の週刊朝日ムック「おいしい暮らしの相談室」では、糖尿病と高血圧にまつわる県民性に注目。厚生労働省「患者調査」(2014年)を基に、病院に「かかる県」と「かからない県」を調べた。

 たとえば、鹿児島県。

 糖尿病で5位、高血圧で1位と、受療率でどちらもワースト上位に食い込んでしまっている。

「鹿児島県民にとって『甘い』は『うまい』。甘い物を好むのが食文化として根付いています」

 そう話すのは、鹿児島大学農学部附属焼酎・発酵学教育研究センターの高峯和則教授。鹿児島県は「甘い醤油」に代表される“甘党県”だ。高峯教授が言う。

「ですが、特産の芋焼酎を食中酒として飲んだ場合に、『血糖値上昇抑制効果』の可能性があることが、最近明らかになったのです」

 鹿児島では、真夏でも芋焼酎をお湯割りで飲む習慣があるという。お湯で温められた芋焼酎の独特の風味や香りは疲れを癒やし、ほっとさせてくれるのだとか。芋焼酎の香りは、アロマテラピーに使う精油と同じ成分が他の焼酎よりはるかに多く含まれているという。

 また、晩酌を鹿児島弁で“ダレヤメ”といい、「一日の締めくくりにダレ(疲れ)をヤメる(やめる、癒やす)」ことに由来している。

「ダレヤメでのお湯割り芋焼酎が、癒やしと血糖値上昇の抑制に一役かっているかもしれません」(高峯教授)

 県民にとって“朗報”かもしれないが、無論、飲みすぎには注意が必要だ。

 平均寿命が短いことで知られる青森県は、厚労省が6月14日に公表した「都道府県別年齢調整死亡率の概況」(15年)でも、男女ともに死亡率ワースト1位となった。糖尿病受療率では12位。だが、厚労省「人口動態統計月報年計」(16年)によると、糖尿病による死亡率(人口10万対)では、全国ワースト1位になってしまった。

 弘前大学大学院医学研究科社会医学講座の中路重之教授によると、背景には食塩摂取量が多い、喫煙率が高い、多量飲酒者が多いといった気質や文化があるという。さらに、雪国ゆえに運動不足からの肥満や、健診受診率の低さ、病気が進行した状態で受診する割合の高さなどが重なり、「糖尿病を放置して合併症を引き起こしているケースが多い」と中路教授は言う。

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