警察OBや弁護士らによる市民オンブズマン「明るい警察を実現する全国ネットワーク」代表の清水勉弁護士は、構造的な問題を指摘する。
「男社会で男尊女卑がまかり通るのが警察組織。自覚しないまま、被害者をセカンドレイプにさらしてしまうことが起こりやすい」
逮捕状が執行されなかったことも問題だと話す。
「警察が逮捕の必要性があると判断して逮捕状を請求し、裁判官が認めたのに、執行しないのは通常では考えられない。被害者が相手に脅迫されるなどの危険にさらされる可能性もある」
性被害者がカメラの前で告白することは、ほとんど例がない。詩織さんの行動に勇気づけられたと応援する声もある一方で、ひどい中傷もあった。いまは食事ものどを通りにくい状況だという。それでも会見したことは後悔していない。
「レイプは内側から殺される『魂の殺人』。声を上げないと何も変わらない」
※週刊朝日 2017年6月23日号