「シリアについて国際的にはテロ・内戦のイメージで報道されているが、本当のシリアは異なる。シリアは本来、ファンタスティックな国でした。シリア人は文明的で、平和的な面白い人たちなのです。良い国で善良な人々です。試合を通じて、日本の人々にシリアのことを知ってほしい。これはメッセージなのです」

 オマルさんは熱く語ってくれ、記者にシリアと日本の国旗を合わせたバッジをプレゼントしてくれた。

 試合では、シリア代表はホームである日本代表を何度も攻め、先制点を奪った。終盤は疲れからか足が止まり同点にされたが、観戦に訪れていた日本人にはシリア代表のプレーぶりが目に焼き付いたことだろう。法務省によると、日本在留シリア人は2016年末で574人。異国の地、日本でシリア代表のプレーに誇りを感じたに違いない。(本誌・大塚淳史)

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