今回はレオン・トーマスがヴォーカルをとったオリエンタル趣味的な「ジャパン」をはじめ未発表音源の7曲が追加収録され、公演通りの曲順になっている。多彩な音楽展開をバックにした変幻自在のカルロス・サンタナのギターは、若々しく凛々(りり)しく、溌剌(はつらつ)としていて生々しい。

 バンド・アンサンブルも聴き所だが、「僕のリズムを聴いとくれ」さながらに瞬発力のある鮮烈なプレイを披露するホセ・チェピート・アリアスのティンバレス、老練の技を見せるアルマンド・ペラーサのコンガ、ソロ演奏では崇高な表情も見せるドラムのマイケル・シュリーヴの3人によるリズム・トライアングルは白眉と言える。とりわけディスク2から3にかけての展開、ことに今回初収録となったアルマンドの「コンガ・ソロ」に続くラストの2曲、ファンに愛され続けてきた「祭典」「ネシャブールの出来事」に圧倒される。

『ロータスの伝説 完全盤―HYBRID 4.0―』は日本で生まれた歴史的なライヴ・アルバムだ。その完全復活が嬉しい。(音楽評論家・小倉エージ)

※週刊朝日オンライン限定記事

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