今秋スタートのNHK連続テレビ小説「わろてんか」のヒロインが、女優の葵わかなに決まった。ドラマは吉本興業の創業者をモデルにした女性起業家の一代記。葵は、アイドルグループ「乙女新党」出身で、すでに多くのドラマや映画、CMにも出演する注目度上昇中の若手女優だという。
「清純派で透明感のある美少女。役柄もそのルックスからイメージできるようなものが多かったが、上映中の映画『サバイバルファミリー』では、つけまつげをするようなギャルっぽい女の子を演じ、演技の幅が広がった印象を持っていたところ。納得ではあります」
と、ドラマ評論家の成馬零一さんは言う。
「昔の堀北真希のような印象も。朝ドラの役がうまくはまれば、ポスト堀北として注目も高まるでしょう」
芸能評論家の三杉武さんは、佐々木希や西内まりやなどのモデル出身の女優は、クールさやセクシーさが同世代の若い女性には支持される一方で、他の世代には親近感をもたれにくい傾向があったと指摘する。
「そのアンチテーゼのように、土屋太鳳さんや松岡茉優さんなど、健康的でキュートな親近感を感じさせる若手女優の活躍が、最近は目立ってきています」
朝ドラは、幅広い層が視聴するだけに、その要素は重要だと三杉さんは言う。
「葵さんはまさに健康的で親近感をもたれる存在。これまで大きな役を演じる機会が少なかったが、朝ドラをきっかけに、飛躍が期待できそうです」
「サバイバル~」主演で葵の父親役を演じた俳優の小日向文世さんが、「まんてん」や「まれ」など朝ドラの先輩として、彼女にこんなエールを寄せてくれた。
「映画で父親の私に反発する娘をリアルに小憎らしく見事に演じた彼女だから、朝ドラヒロインへの変身も見事にやってのけると確信しています! とにかく、体調管理に気を付けるんだよ、わかなちゃん。父より」
葵は発表会見で、「少しずつ成長しながら笑顔を届けられるように」と意気込みを語った。吉本創業者になりきり、日本の朝に「笑い」を届けられるか。
※週刊朝日 2017年3月31日号