懐かしのポケベル (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 コミュニケーションツールとして社会現象ともなった無線呼び出し機、通称「ポケベル」のサービス開始は1968年。当初は外出が多い営業職、管理職などが対象で、呼び出されたら出先から電話を入れる使用法が一般的。呼び出し音が鳴るだけの単純なシステムだったが、サービス開始直後から引っ張りだこだった。

 高校生や大学生にも広がり、93年のテレビドラマ「ポケベルが鳴らなくて」(日本テレビ)は大ヒットし、「0906」(遅れる)、「14106」(愛してる)といった暗号もブームになったものだ。

 しかし、90年代後半から携帯電話が安価に入手できるようになると、瞬く間に衰退。96年6月のピーク時に約1077万件の加入者があったが、NTTドコモは2007年3月末でサービスを中止した。

 現在は、災害時の同報無線システム事業を行う東京テレメッセージが、わずかながらポケベル事業も兼業している。(高鍬真之)

週刊朝日 2017年3月10日号

子どもが健全なスポーツ活動をするために、サポートできることとは?
[AERA最新号はこちら]