一つは、18歳人口が前年より1万人ほど増えたこと。センター試験志願者数も前年から1万2199人増(2.2%増)だった。
大学通信の調査によると、私大の志願者数はさらに伸びて、「8%ほど増える見込み」(安田さん)という。そこで二つ目の要因として指摘されるのが、文部科学省が16年度に始めた「定員の厳格化」だ。
学生数が8千人以上の大規模校の場合、入学定員充足率の基準は従来1.2倍だった。16年度から1.17倍、17年度は1.14倍に下げられ、少しずつ厳しくなっている。基準倍率を超える学生が入学すると、文科省から私学助成金を受け取れなくなる。安田さんはこう指摘する。
「定員厳格化は、都市部への学生集中を緩和する目的で始まりました。昨年は合格者が減ったため、3月に試験を受ける人が増えました。それを避けるため、今年はあらかじめ併願校を多くした受験生が増えたと思われます」
大学にとって、少子化と進学率頭打ちで志願者が減る「2018年問題」は、大きな課題。志願者数が伸びる大学がある一方で、全私大の約4割が定員割れという現実もある。定員厳格化の流れは来年以降も続く。
充足率は18年度に1.1倍に下げられ、19年度以降は0.95~1.0倍の大学に私学助成金を上乗せする方針だ。大学側は合格者を絞らざるを得ない一方で、合格者のうちどの程度が実際に入学するかも一層読みにくくなる。来年のランキングでは、どの大学が躍進しているだろうか。
※週刊朝日 2017年3月3日号