今年注目の人にインタビューを敢行。今回は、大相撲・宮城野部屋の石浦関(26)。
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昨年11月の九州場所で新入幕ながら10連勝し、10勝5敗で敢闘賞に。幕内最軽量の小兵ながら、鋭い立ち合いで攻める。「将来は三役」との呼び声が高い。
石浦:去年は、名古屋場所が負け越しで、それ以外は勝ち越し。先場所は10連勝でしたが、もう一生できないんじゃないかな(笑)。今でもできすぎだと思います。
──快進撃の要因は?
石浦:勝ち負けを意識せずに過程を大事に、と思うようになりました。この考えは禅に似ているなと思い、『禅とは何か』(鈴木大拙、角川ソフィア文庫)を読み、その考えを強くしました。かなり難しい本でしたが、ポイントをつかみました。
──パワーの源は。
石浦:納豆と塩サバですね。九州場所の昼飯は、ご飯とみそ汁に加えて毎日食べました。鳥取出身なので塩サバは大好物で、そのコンビは最高。(地元では)スーパーで安いのを買っても脂がのり、おいしいんです。でも、東京で塩サバを買ったら、めっちゃ干からびていてショックでした。今は地元から送ってもらっています。
──自分より大きな力士を相手に、怖くないですか。
石浦:本当に怖いですよ。体格が違うから、一歩間違えるとふっ飛ばされる。毎日、「あー、この人かぁ」って対戦相手を見るのが嫌で。いつも風呂で作戦を考えますが、自分の出方を決めるようにしています。すると、心が落ち着くんです。
──やはりめざすは横綱?
石浦:僕が横綱ですか? 正直な話、無理だと思います。だけど、横綱を倒す人をめざしますよ。それには、もうちょっと体を大きくすることが必要ですね。パワーが足りないですから。
──今年の目標は。
石浦:立ち合いをもっと強く当たっていきたいですね。相手に吹き飛ばされないように。相手の形になっても我慢して我慢して、自分の相撲を取れるようにしていきたい。それができれば、成績は自然とついてくると思います。
※週刊朝日 2017年1月20日号