「悲劇を演じても悲愴感が出ない。幸せな役より、どこか不幸せな役どころが似合うのも、そうした持ち味を引き出せるからでは」
テレビドラマ分析が専門の法政大の藤田真文教授も有村の次作に期待する。
「昭和のアイドル顔で、広い世代から愛される。けなげな役どころもぴったり」
朝ドラ「あまちゃん」のヒロインとして注目された、のん。事務所独立騒動や改名など、先行きを心配する声もあった。しかし、主演声優を務めたアニメ映画「この世界の片隅に」が大ヒットし、新たな可能性を切り開いている。岡室教授は言う。
「彼女の魅力は永遠のアマチュア。決してうまくはないが、人の心に響く何かがある。得がたい存在です」
昨年の芸能界は衝撃続きだったが、今は好機と捉えるべきと今井さんは言う。
「SMAP解散をはじめ、昨年は従来の芸能界の構図が崩壊した年。のんにとって、今後の可能性が開けるチャンスでは。独自の個性が光るポジションを十分ねらっていけるはずです」
今年も朝ドラ女優の行方から目が離せない。
※週刊朝日 2017年1月20日号