安彦良和氏のカープ愛とは?(※イメージ)
安彦良和氏のカープ愛とは?(※イメージ)
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 エース投手だった前田健太選手(28)が、メジャーリーグに移籍した今シーズン。広島東洋カープは苦戦を強いられると思いきや、怒涛の快進撃で25年ぶりの優勝が秒読み段階だ。「機動戦士ガンダム」などの作画監督で、アニメーター・漫画家の安彦良和氏がカープ愛を語る。

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 初優勝した1975年からファンになりました。赤ヘル旋風に、まんまと乗せられたクチです。当時は赤いユニホームが衝撃的で、それ以前のユニホームはどうにも思い出せません。

 79年の優勝は「機動戦士ガンダム」のテレビ放映が始まった年でもあり、僕は過労で入院していました。近鉄バファローズとの日本シリーズ第7戦“江夏の21球”の中継は、病院のベッドで観戦していたんです。

 あれは無死満塁にしてしまったのがいけないのであって、こりゃダメだと思ってテレビを切ろうとしたぐらいです。自分でピンチを広げ、見せ場をつくってから抑えたので伝説になったわけで、そんなにすごい投球ができるのなら、最初からすんなり抑えろよと思いましたね。近鉄の佐々木恭介の三塁線の当たりがフェアになっていたら、それで終わりだった(笑)。よく考えれば、相当おっちょこちょいな話で、そんなところも魅力ですね。

 2013年に中国新聞で、漫画家10人がカープの選手を描いた全面広告を掲載したことがあり、僕は前田(智徳)選手を描きましたが、「報酬として前田選手のサインボールをください」という条件で引き受けた。

 そうしたら、前田つながりでマエケン(前田健太・現ドジャース)のサインボールまで送られてきて、これはもうけたな、と。

 今年はやっぱり新井がいい。一昨年までの阪神時代は何をやっているんだと思いましたが、戻ってきたとたん見違えるほど打つようになった。あのキャラクターは愛されますね。菊池も丸も去年はそろって成績を落としたのに、今年はどうしたんでしょうか。鈴木も顔を覚える前に活躍してびっくりです。

週刊朝日  2016年9月16日号