思えば意味深なコラムだった。
「いつも『政治と金』でコケるわけですが、すべての議員が舛添さんのように公私混同が当たり前と思っているわけではありません。ちなみに私は公私の区別がつけにくい飲食費は一切計上しません」
「これで任期途中に都知事が辞すのはこの4年間で3人目です。その都度突如として選挙戦に突入し、いつも最後に現れる『後出しジャンケン』の候補者が勝利を納める。この繰り返しです」
6月29日、東京都知事選に電撃的な出馬表明をした小池百合子氏は、前日に自身のホームページにそう掲載していた。7月1日には自民党都連に推薦願を出す周到ぶりだ。
泡を食ったのは、都知事選の候補者選びを一手に任されていた自民党都連執行部。
「党内では、どんぐりころころの歌にかけて、『小池にはまってさぁ大変』と、都連などが揶揄(やゆ)されています」(自民党関係者)
都連執行部に十分な相談もしないまま、記者会見を開いた小池氏に対し、ベテラン記者からは、
「小沢一郎とか小泉純一郎以来の思い切った行動じゃないか。しびれたね」
といった声が漏れた。
「小池さんにしてみれば、このままだと、出馬したくてもできなかった2年半前の都知事選の二の舞いになりかねないという計算もあったのでしょう」(自民党都議)
都連会長の石原伸晃氏には事前に連絡がなかったようで、都連幹部の萩生田光一官房副長官は「執行部に何ら相談もなく、やや違和感がある」と吐露した。
ただ、小池氏もまったく連絡しなかったわけではなく、小池氏に近い自民党関係者は「公明党幹部にはすでに話を通していた」と打ち明ける。都連の平沢勝栄衆院議員は会見の5分前に携帯電話が鳴り、小池氏から「いまから出馬会見します」と、電話がかかってきたという。
暴走にも見える小池氏の決断だが、ある自民党関係者は、
「公明党と世論が小池さんを支持する格好になったら、自民党は小池さんを候補者と認めざるを得ないという流れになると読んでいたはずです」
一億総活躍社会の実現を目指す安倍首相は、参院選の街頭演説に立つと、聴衆の女性に向かって、身ぶり手ぶりで「女性の輝く社会の実現」を訴えている。政治ジャーナリストはこう分析する。