舛添要一氏 (c)朝日新聞社
舛添要一氏 (c)朝日新聞社
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「政治とカネ」疑惑に対し、まさかの「ゼロ回答」で記者会見に臨んだ舛添要一東京都知事(67)。

 次々と噴出する疑惑にまともに答えられない舛添氏は、都知事としての求心力を急速に失いつつある。

 だが、果たして問題は、舛添氏の個人的資質だけなのか。14年の都知事選で舛添氏に敗れた弁護士の宇都宮健児氏は5月21日、都内の集会でこう語った。

「高額の出張費は石原慎太郎都知事のころから問題になっていた。税金を簡単に使ってしまう悪習が身についてしまっている」

 石原氏といえば、19日の会見で舛添氏の疑惑について聞かれ、「あまりにもミジメな話」「彼は何度も結婚したり離婚したりしているのでお金がない。気の毒な話」と冗談めかして語るなど、完全に“ひとごと”気分。だが、都知事時代には自身も“公私混同”疑惑を追及された。

 06年には共産党都議団の指摘で、「豪華海外出張」問題が指摘された。99年からの7年間で総額2億4千万円、1回平均1600万円の公金を使用。ガラパゴス諸島で大型クルーズ船に乗船するなど、とてもマジメな視察とは思えないような内容だった。

 さらにその後、石原氏の働きかけによって、画家の四男・延啓氏の知人が担う事業を通じ、絵画を都が出資する新銀行東京が購入していたり、延啓氏が都の公費でヨーロッパに渡航していたりといった問題が続々と噴出。週に2、3日しか登庁しない勤務実態も問題視された。

「石原氏は数々の疑惑を追及されながら、都民の高い支持率に支えられて辞職に追い込まれることもなく、都知事が王様のように好き勝手に振る舞えるあしき前例をつくってしまった。後を継いだ猪瀬直樹氏も、石原時代の負の遺産をまったく総括しようとしなかった」(都政ウォッチャー)

 こうして、「都知事になれば何でも許される」という歪んだ文化が定着してしまったというのである。

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