「小林氏の出馬表明には正直、驚きました。ただ、あくまでも野党共闘を促進するための行動と受け止めています。統一名簿構想が前に進まないことに刺激を与える意味もあるでしょうし、社民党や生活の党など小規模な統一名簿『“小さな”オリーブの木』をつくる触媒になる可能性もある」
実際、存続が危ぶまれる社民党は12日の常任幹事会で「国民怒りの声」の統一名簿への参加や民進党への合流などの選択肢が話し合われたという。野党側に今後、どのような化学変化が起きるかは未知数だ。
一方、これまた意外だったのが新党改革から出馬を表明した女優の高樹沙耶氏(52)だ。10日、各党候補者がひしめく東京選挙区(改選数6)から立候補すると表明した。
高樹氏といえばテレビドラマ「相棒」シリーズで主人公・杉下右京の元妻である小料理屋のおかみを演じた。近年は芸能界を事実上引退し、東日本大震災後に移住した沖縄・石垣島で宿泊施設を営んでいた。
そんな彼女が訴える政策は「脱原発」と「医療大麻の解禁」。10日の会見では、海外では大麻を医療現場で使用する動きが進んでいるとして、こう語った。
「(医療大麻の推進は)麻薬という誤解を受けたままになっているので、なかなか進まないというのが現状です(中略)。大麻草は自然の生薬であり、それを使って皆様が健康になるのであれば、私はただちにこれを使ったほうがいいと思っています」
12年12月に、本名の益戸育江で出した著書『ホーリープラント』では、大麻についてより赤裸々に語る。定時制高校に通いながらモデルとして活動していたころにフィリピンのセブ島で「大麻初体験」をしたと告白。その後も<こちらが望んでいなくとも、友人などからいただく機会はけっこうありました>と明かし、その“効能”を次のように語っているのだ。
<大麻はとても不思議な植物で、こんな感覚を人にもたらします。/言葉や価値観を超えて、とてもテレパシックになれる事。集中力やイメージ力があがる事。大麻には、そんな不思議な力があります>
こうした考えは、東京の有権者に受け入れられるのか。新党改革の荒井広幸代表はこう語った。
「過去にとんがった言い方をしてきたことは、本人も反省の弁を述べていた。きちんと取材されないまま誹謗(ひぼう)中傷で嫌な思いをしてきた面もあるので、選挙戦の中で誤解を解きたいということでした」
※週刊朝日 2016年5月27日号より抜粋