まずは、なんといっても「近大マグロ」だろう。同大水産研究所が世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功。そのマグロをはじめとした“近大卒”の養殖魚を味わえる店をJR大阪駅前と東京・銀座にオープンしたのが13年。長蛇の列をメディアが取り上げ、知名度とイメージは大幅にアップ。翌年の首位に大きく貢献した。また、13年度からは、「インターネット出願」で3千円の割引にし、現在は完全ネット出願に移行している。
安田さんは、両大の志願者増には、いくつかの共通点があるという。
「かつては明大も近大も“バンカラ”のイメージでしたが、現在は3割以上が女子学生。学部新設に力を入れている点も共通していますね」
近大は10年に総合社会学部、11年に建築学部、明大は13年に総合数理学部を相次いで設置した。さらに近大は今年、国際学部を新設。500人の定員に対し、17倍の志願者数となった。
同学部の最大の特徴は、新入生全員が1年次後期から1年間留学することだ。
「ベルリッツコーポレーションと提携し、留学前、留学中はもとより、帰国後も語学のトレーニングを受けられます。私自身も経験しましたが、早期に留学すると、帰国後に積極的に学ぶようになると考えています」
4月に国際学部長代理に就任する藤田直也教授は、1期生への期待をこめてこう語る。
米国へ留学する同学部のグローバル専攻は、帰国後に英語による授業を受けられるだけでなく、ビジネス英語も学べる。中国、韓国、台湾のいずれかに留学する東アジア専攻は、3カ国語を操る人材の育成を目指すという。
※週刊朝日 2016年4月8日号より抜粋