慶應義塾大学(撮影/写真部・堀内慶太郎)
慶應義塾大学(撮影/写真部・堀内慶太郎)
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 今年も多くの受験生が入試に挑んだ早稲田大学と慶應義塾大学。世代をまたいだ私大の両雄のライバル関係に、近年変化があるという。「両大学に合格すると、受験生の多くが慶大に進学する」というのだ。早大も積極的なグローバル化などで巻き返しを図る。“早慶”の今を探った。

 そもそも入試で「早慶」というくくりはいつごろからあったのだろう。歴史をひもとくと、100年ほど前まで遡る。

 それぞれ独自のカラーがあるとはいえ、早慶どちらに進学するかは、受験生にとって常に悩みの種だった。大手予備校の追跡調査によれば、2000年代半ばまで両大の看板学部、早大政経学部(政治)と慶大の法学部(政治)に両方合格したら、早稲田を選ぶ受験生が7割超だった。慶大経済学部と早大商学部では慶大、文学部で慶大がやや人気という傾向があった。

 ところが「10年ほど前から、どの学部でも7割ぐらいが慶大を選ぶようになった」と関係者は口を揃える。

 大きな理由として挙げられるのが就職状況。慶大は就職先として根強い人気の銀行、証券、保険、電機、自動車、通信などで強く、特に丸紅、住友商事、三菱商事など商社では慶大の圧勝だ。こうした実績から「早大より慶大が就職に有利」という“神話”が生まれたようだ。

 一方で早大は国家公務員総合職試験に強い。「ミニ東大」と揶揄されることもあるが、かつての在野志向は、近年、エスタブリッシュメント寄りの色も帯びる。

 国会議員の出身者は慶大がやや上回るが、87人のうち半数近い42人が2世議員。早大はその点、2割にとどまる。議員の地力は早大に軍配が上がりそうだ。

 専門職では、慶大の公認会計士大学別合格者41年連続トップという実績が目立つ。OB・OGが集う「三田会」の結束力がここでも生きる。ビジネス分野での強さは盤石だ。

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