「政府は100位以内に、日本から10大学を入れることを目標にしており、ランキングは大学にとっても、無視できないものになりつつあります」

 海外の学生の留学先選びの指標にもなるランキング。しかし従来、論文数や教員数などで劣る小規模大学は、上位になりづらかった。こうした大学も評価しようという世界的な流れが、今回の小規模大学ランキング公開につながったようだ。

 さかなクンが客員准教授を務めることでも知られる東京海洋大は、20位に入った。評価指標のうち、とりわけ「産業界からの収入」のスコアが高く、大規模大学を合わせた全ての大学の中でもトップクラスだという。東海正(とうかいただし)副学長は語る。

「応用科学に強い大学なので、産業界から多くの研究費をいただいています。その求めに応えるべく、多岐にわたるテーマを研究しています」

 たとえば環境への負荷の少ない養殖マグロのエサの研究や、震災地域での水産物加工の技術開発、超電導モーターの船舶への利用など、研究テーマは実社会に幅広い分野で直結している。

「大学の規模こそ小さいですが、自然科学から生命科学、工学、社会科学まで、海にかかわることに特化して、全て研究しているのが本学の強みです」(東海副学長)

 南極海での海洋調査に同行するなど、専門性が高いプログラムに多くの学生が触れられるのも、小規模大学ならではの魅力だ。

週刊朝日  2016年3月4日号より抜粋

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