データ復旧などを手掛ける「データサルベージ」のデジタル遺品整理サービス「LxxE(ルクシー)」は、故人が利用していたパソコンやスマホのパスワードの解除、アドレス帳の検索、写真の復元に加え、故人の情報流出を防ぐためのデータの完全抹消やSNSなどのアカウントの削除も手掛ける。5月のスタート以来、メディアに取り上げられることも多く、相談に訪れる遺族も増えたという。中でも多いのが写真の整理だ。デジカメや携帯で撮影した家族が知らない写真を探したり、故人の写真集から「家族が写っている写真」などを特定して抽出したりといったことに対応する。

「亡くなった方の楽しそうな写真、笑顔の写真に救われるご遺族は多いのです」。そう話すのは、データサルベージ社長の阿部勇人さん。宮城県出身の阿部さんは東日本大震災の際、津波で流されたパソコンやデジカメのデータ復旧に尽力。阿部さん自身も親族を失い、故人の笑顔の写真に悲しみが癒やされたという。

「デジタル遺品の整理は、故人の尊厳を守ることと同時に、遺族が死を受け入れ、前を向いて未来を生きるためにとても大切な作業なのです」(阿部さん)

 技術的には、故人が削除したメールやネットの閲覧履歴の復旧も可能だ。どんな交友関係があったのか、どんなサービスを利用していたかなどを知る手がかりになる。解析したデータが証拠資料となれば、遺族による相続紛争の解決に役立つことも。「ルクシー」は初回が5万円、その後は希望する内容によってさまざまだが、計15万~20万円程度のケースが多いという。

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