課題になったのが「死亡をどう確認するか」だった。「亡くなった後に指定した連絡先にメールが配信されるサービスはありましたが、死亡していないのに送られてしまうトラブルも見受けられたのです」とヤフーでサービスを立ち上げた高橋伸介さん。同社では、役所が発行する公的証明書である火葬許可証を遺族に提出してもらい、生前の登録情報と照合の上、サービスが実行される流れを整えた。
今後は削除したいデータや家族に引き継ぎたいデータを振り分けられる仕組みも検討。「死亡だけでなく認知症など病気のケースも視野に入れていきたい」と同社担当者の佐藤和真さん。
エンディングノートや終活サービスで生前準備をしていなかった場合、遺族は故人のデジタル遺品にどう対応すればいいのか?
「故人の名誉を傷つけず、犯罪に加担させないためにも、故人が関わったデジタル遺品をもれなく探し出すことが重要です」と情報セキュリティーの専門家で『「デジタル遺品」が危ない そのパソコン遺して逝けますか?』(ポプラ新書)の著者、萩原栄幸さん。パソコンやスマートフォンなどの端末、USBメモリーやSDカードなどの外部記憶媒体、ネット上のクラウドなど、すべてを洗い出す必要がある。しかし、パソコンやスマートフォンは起動時にパスワードの入力が求められ、これを解除できなければそもそも何も確認することはできない。そうした場合のサービスが今、注目を集めている。