「家族に知らせたほうがいい」データの一方で「家族にも知られたくない」データは少なからずある(撮影/写真部・長谷川唯)
「家族に知らせたほうがいい」データの一方で「家族にも知られたくない」データは少なからずある(撮影/写真部・長谷川唯)
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 スマートフォンやパソコン、そしてインターネットの普及で、発見されにくい“遺産”が増えてきた。不動産や車といった目に見えないものも立派な資産。もし自分が死んでしまった場合、それらをどうするか具体的に考えている人は少ないはず。

「家族に知らせたほうがいい」データの一方で「家族にも知られたくない」データは少なからずある。アダルト系の画像や映像、不倫の形跡などが死後に見つかれば、遺族を傷つける恐れもある。

 秘密にしたいデータがある場合、死後に自動的に削除してくれるソフトを利用するのもひとつの策。最近はデータをクラウド上に保管している人も少なくない。クラウドとは、データをインターネット上に保存するサービス。利用者本人による管理が前提のため、突然亡くなった場合などはネット上にデータが放置され、流出の危険性もある。

 日本最大級のポータルサイトを運営するヤフーは14年7月、終活サービス「Yahoo!エンディング」を開始した。墓探しや葬儀手配に加え、自分の死後、家族や友人へのメッセージ送信、有料サービスの課金の停止などの生前準備をサポート。さらに、クラウドサービス「Yahoo!ボックス」内のデータを削除してくれる。事前アンケートで要望が多かった「家族にも見られたくないデータは消去したい」というニーズに応えた。

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