組織的関与の疑いも囁かれるマンション基礎のデータ改ざん問題が世間を騒がせているが、実は中古マンション市場はいま、人口減が顕著になる2020年問題を背景とする「最後の売り時」ムードもあり、空前のモノ余りの状況になりつつある。そんななか節税対策としてマンション購入を考える人もいるのだ。資産価値の下がらないマンション購入のポイントを専門家に聞いた。
ビッグデータを駆使する不動産コンサルティング会社スタイルアクト(東京都中央区)によると、「値崩れしにくい物件」には法則がある。重要なのは都心部で硬い地盤の上にあること。ワンルームではなく、より価格の高い「ファミリータイプ」もポイントという。
一般的にマンションの価値は、発売価格にかかわらず年々、大体100万円ずつ落ちる。人口がまばらな地域だと、地価下落が影響し、物件の購入額もそもそも小さいため、年間の価値下落もそれだけ大きいのだ。要は都心のほうが資産価値が落ちにくいということだ。
これは地方の都市と周辺部の関係でも同じで、例えば富山市の中心部の地価が上昇しているのは「人口や機能を集積させた結果。密度が高い地域は地価も落ちにくい。人口や機能が集積する中心部から離れた『値ごろ感』ある場所で買うと、相続対策としては失敗する」と注意を呼びかける。
言うまでもないが「立地」も重要なポイントだ。同社の社長で、相続対策に詳しい不動産コンサルタント沖有人さんが提唱するのは「駅徒歩5分以内」。例えば、駅徒歩1分と同2分を比較した場合、時間が倍になっただけだと思いがちだが、そうではない。「面で考える必要があります。駅徒歩2分だと、面積では4倍。物件の希少性では4分の1になってしまう、ということなんです」(沖さん)
駅近物件とはどのようなものか。新築だが、業界内で「今年最大の目玉」といわれるタワマンで、JR山手線目黒駅前「徒歩1分」に東京建物などが売り主となっている「ブリリアタワーズ目黒」(地上40階・38階)の建設現場に行ってみた。