下町の小さな製作所の前に立ちはだかる大企業・帝国重工の部長は、吉川晃司だ。いつのまにか髪はまっ白だが、マッチョでパッツンパッツンなスーツ。アップになれば、カメラ目線で睨みをきかせ、廊下を走る姿は躍動感みなぎる「モニカ」(?)って、もうどんなキャラなんだか把握しきれなくて混乱。でも、社長は杉良太郎だし、忘年会は「年忘れにっぽんの歌」並みに盛り上がるはず、きっと。

 訴訟問題で登場する弁護士は「なんだかなぁ~」な阿藤快に、「ひるおび!」MCの恵俊彰と、一気にワイドショーテイストで「訴訟場面だからって、決して難しくないですよ、チャンネルはそのまま!」と、視聴者の首根っこを掴まえる万全の態勢(「白熱ライブビビット」MCの真矢ミキも、ちらっと出てくる)。

 脇の脇までこれでもかーこれでもかーと、老舗のうなぎ屋のタレのごとくおっさんが煮詰められていて、「あ、やっとおばさんがいた!」ってホッとしたら、ピーターこと池畑慎之介。やっぱりおっさんだったという、おっさんの底なし沼ドラマ。ひつまぶしだって、最初の一杯はそのままで、二杯目は薬味とワサビをつけて、三杯目はさっぱりとお茶漬けにして召し上がれっていうのに。このドラマのお茶はどこだい?

週刊朝日 2015年11月6日号

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