西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏。来年開催される日本プロ野球名球会フェスティバルには、ある思いが込められているという。
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日本プロ野球名球会のイベントを発表する記者会見が10月8日、東京プリンスホテルであった。王貞治顧問、山本浩二理事長らが勢揃いし、私も理事として参加した。報道陣の方々も100人以上集まってくれて、本当に感謝している。
イベントは「名球会ベースボールフェスティバル2016」と題して来年1月11日にヤフオクドーム(福岡市)で催される。
ソフトボール女子日本代表のメンバーも参加する「少年野球&ソフトボール教室」からスタート。午後からは、名球会とソフトボール日本代表選手との対決のほか、名球会会員によるホームラン競争も。セ・リーグとパ・リーグに分かれての紅白戦もある。
かつてファンを熱狂させた夢の対決が、当日いきなり組まれることもあるだろう。私も本当に楽しみにしている。
会見でも述べたが、名球会は過渡期にある。会員の平均年齢が上がり、毎年12月にハワイ・ホノルルで行ってきた名球会イベントで、ゴルフをプレーすることも難しくなってきている。かつてはテレビ局とタイアップして正月特番も組まれたが、今では厳しい。5~6日の日程では、若い会員も参加しにくい。
名球会が決断すべき時が来ていた。イベントを1日限りにすれば、若手を含めて全員に参加を呼びかけられる。今回は、野茂英雄、松井秀喜両氏からも参加に前向きな回答をもらっている。長嶋茂雄さんも参加してくれる。
実は今回の構想は、昨年末から練られてきた。
2020年東京五輪での競技復活を目指す野球界に恩返しできることは何か。野球人口が減少する中、少年少女に野球の楽しさを実感してもらうには何をすればいいか。みんなで野球を盛り上げていこうという姿勢を、発表だけでなく、真剣な取り組みの中で示していきたいと考えてきた。王顧問、山本理事長らがスポンサー集めで中心的な役割を担うなど、自分たちで作り上げようとしている。
イベントのチケットはすでに発売中だ。多くの方々に驚きと、感動と、少しばかりの笑いも届けたい。ぜひ公式サイト(http://gpc-festival.com/)を見ていただきたい。
1回目のイベントが成功すれば、きっと毎年続くだろう。ファンの輪が広がれば、名球会の会員にも刺激になるし、名球会もさらに魅力的な組織になっていくだろう。かつてそうだったように、若い選手の目標になるような会にしていかなければならない。
少しだけ心配なのが、紅白戦で登板する投手だ。会員の中には投手が15人しかいない。早く名球会入りする若手が出てこないかな。私も今から、肩をつくっていかないといけない。
※週刊朝日 2015年10月30日号
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