――当時、入学したばかりのKKをスタメンで起用することに迷いはなかったのだろうか。

 1年生は入学して約1カ月が経過した5月から全体練習に加わりますが、桑田のアピールがすごくてね。ホームベースからライトポールめがけて遠投をさせたら、80メートルの距離なのに低い軌道のボールを投げていた。遠投ですから、普通は山なりになりますよね。それだけ回転の良いボールだったということです。

「だってピッチャーは低いボールを投げるでしょ?」

 というような表情で、

「僕はピッチャーをやりたいです」

 と私にアピールしているようだった。遠投でそのボールが投げられるからこそ、アウトコースへビシッと直球を投げられるわけです。加えて桑田には大きく曲がるカーブがあった。起用に迷いはありませんでした。

 一方、清原には遠くへ飛ばす力と技術があった。2、3年生は小柄な選手が多かったから、チームのバランスを考えても清原は不可欠な存在でした。

週刊朝日 2015年8月28日号より抜粋

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