「舛添さんは参院議員の前の政治学者のときから、歯に衣着せぬ物言いで人気を集めてきた。昨年2月に知事になってから安全運転に徹していただけに、そろそろアクセルを踏もうと考えたのではないか。股関節の手術で4月まるまる入院し、存在感が薄まっていたことも背景にあると思います」
かたや、防戦一方の下村文科相は「舛添は、五輪はどこでやるのかわかっているのか」「当事者意識がない」と周囲にキレまくっているという。
20年東京五輪・パラリンピックの成功に向けて、タッグを組まなければいけない両者に生じる溝。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長も不安視している。
都職員の一部からは「知事が公の場で文科省を攻撃するのはやめてほしい」「関係修復ができなくなる」と不安の声が聞かれた。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう指摘する。
「都民の税金を無駄にはできないという知事の意気込みはわかる。ただ、パートナーを執拗に攻撃することは逆に都民を不安にさせるし、世界に恥をさらすことにもなる。もっと協力姿勢を出すべき。12年間、参院議員を務め、厚生労働大臣までやった政治家なら、わかるはずですが……」
歴史的和解の日はやって来るのか。
(本誌・永野原梨香、牧野めぐみ、一原知之、上田耕司/横田 一)
※週刊朝日 2015年7月3日号